美しい
醜いといふことは確に其人に利益不利益を与へますが、それでさへ必ずしも利不利を与へるとは限りません。
子供の群の前後には、赤い腹を白い灰のような土の中に横たえた
醜い小動物の死骸が、いくつもいくつもころがっている。
容貌の
醜い若者はこの新しい遊戯を見ると、すぐに弓矢を砂の上に捨てて、身軽く河の流れを躍り越えた。
生れたままの顔というものはどんなに醜くても
醜いなりの調和がある。
親しい人の顔が、時として、凝乎と見てゐる間に見る見る肖ても肖つかぬ顔——顔を組立ててゐる線と線とが離れ/\になつた様な、唯不釣合な
醜い形に見えて来る事がある。
醜いほど大きな足をそこへ投出しながら、言って見た。
そしてその色の黒い、
醜い、しかし無邪気なにこにこ顔の、いかにも人の好さそうな細い眼で、じろじろとその男の顔をみつめながら言った。
朱雀綾小路の辻で、じみな紺の水干に揉烏帽子をかけた、二十ばかりの、
醜い、片目の侍が、平骨の扇を上げて、通りかかりの老婆を呼びとめた。
なぜといえば、その都市の人々は必ずその川の流れに第三流の櫛形鉄橋を架けてしかもその
醜い鉄橋を彼らの得意なものの一つに数えていたからである。