今日不計も三吉
老翁の来杖、幸ニ諸君の無異平安なるを伝聞相賀し申候。
まだ三十を越したばかりの年齢であるのに、その頬には六十あまりの
老翁に見るような皺が寄り、その落ち窪んだ眼には、私の返答を待つ不安の色が漂って居た。
しかし、六尺豊な体躯を持っている赫顔白髪の
老翁の太古の風貌を帯べる考えと多情多感な詩人肌の彼の考えと到底一致する筈がない。
若い店員は奥の方に入つて行きしばらくすると、一人の
老翁が出て来て云ふに、『それはやつぱり元のところに建物がありますよ。
「ただ怖れていてもしようがない」と、
老翁はまた教えた。
老翁が猿の尾をつかんで、“Der verdammte Japs hat nichts bei mir zu suchen!”といっている。
老翁しきりに、上りて爐に當れよと云へど、夜も更けたり、また來むとてたち出づ。