頽廃も混乱も空白も、つまり、外観は
野蛮に通じるのである。
見物のやじり方には、古今東西を通じていろいろあるやうだが、昔、仏蘭西では、舞台の俳優めがけて、腐つた卵や、焼き林檎を投げつけるといふ
野蛮な風習があつた。
シェイクスピアには、なるほど、多少いゝところもあるけれども、概していふと、趣味が下劣で、
野蛮で、一口に言つて見れば、気狂ひが酔つぱらつてるやうなもんだ、云々。
だが到頭見つかって、その時には自分でも、自分の身体の事を考えない
野蛮的なのに顔を紅くした。
そして強引に争い、水面をぬいて獲物とするまでには、時に魚の鰭で手に血を流し、転んだり、跪いたり、思わぬ怪我をしても、潮で洗えばすぐ癒るような
野蛮さにある。
彼は「あなたの作中人物は皆微笑してゐるではないか?」といふ問に対し、
野蛮にもかう返事をしてゐる。
西洋人は、日本が平和な文芸にふけっていた間は、
野蛮国と見なしていたものである。