その文面は
すこぶる鄭重を極めたもので、「遠路乍ら御足労を願い、赤耀館事件の真相につき御聴取を煩わしたく云々」とあった。
だからリエージュの街の子供たちの間にも、中尉の評判は
すこぶるよいのである。
検視が済んで、おまんの埋葬はとどこおりなく許されたが、あとの詮議が
すこぶるむずかしくなった。
わたくしが見たのは江戸の末で、慶安当時から二百年も経っていましたから、自然に板の木目が高く出て、
すこぶる古雅に見えました。
明治時代までは鉦をたたいて売りに来る飴売りが
すこぶる多く、そこらの辻に屋台の荷をおろして、子どもを相手にいろいろの飴細工を売る。
しかし弟子のしつけ方が
すこぶる厳しい方で、かの寺小屋の芝居でもみる涎くりのように、水を持って立たされる手習い子が毎日幾人もあった。
そして
すこぶる狼狽のていで、自分の座席に蛙のように飛びついた。
茶盆をふすまの片辺へおいて、
すこぶるていねいにおじぎをした女は宿の娘らしい。
秋近き空の色、照りつける三時過ぎの強き日光、
すこぶるあついけれども、空気はおのずから澄み渡って、さわやかな風のそよぎがはなはだ心持ちがよい。
おッ母さんは
すこぶるむずかしい顔をして樋口の顔を見ています、樋口はいつもの癖で、下くちびるをかんではまた舌の先でなめて、下を向いています。