わしは今、
世にも恐ろしいわしの罪をお前に白状しようと思う。
己は其おかげで、何時の
世にも賢哲を苦める落莫の情を、僅なりとも慰める事が出来たのだ。
で、たいていしまいには三人とも、
世にも不思議な顔をしてお湯の中へ飛び込みました。
僕はこれから先ず、友人柿丘秋郎が企てた
世にも奇怪きわまる実験について述べようと思う。
ところがそのT先生が、どうしたことか、まあ、いわば、悪魔にでも憑かれなさったのでしょう、たった一度だけ、
世にも恐ろしい誤診をなさったので御座います。
現に私も一両度、その頃奈良の興福寺の寺内で見かけた事がございますが、いかさま鼻蔵とでも譏られそうな、
世にも見事な赤鼻の天狗鼻でございました。
まことに、そこ一帯の高原は、原野というものの精気と荒廃の気とが、一つの鬼形を凝りなしていて、
世にもまさしく奇異な一つに相違なかった。
彼は青い顔の上に、ライオンのように房づいた長髪をのせ、
世にもかぼそい身体を、てかてかに擦れた金ボタンつきの黒い制服に包んで駅前にある公衆電話の函に歩みよった。
その後の「ろおれんぞ」は、「さんた・るちや」の内陣に香炉をかざした昔とは打つて変つて、町はづれの非人小屋に起き伏しする、
世にも哀れな乞食であつた。