すなわち、たった一語の使いわけによって、
いともあざやかに区別をつけてそれですましてしまうだけ、物自体の深い機微、独特な個性的な諸表象を見のがしてしまう。
(……そは許婚ある若き女子の
いとも恐ろしき罪なりけり……)
すべての行動が、いかにも馴れ切った世界に、大したエネルギーを費すことなしに、
いとも正確にすすめられてゆくという風に見えた。
それは光と影とを併せ有ち、その中に神秘の姿を織り込んでゐる
いとも弱き人生であります。
ところで笊の目を潜らして、口から口へ哺めるのは——人間の方でもその計略だったのだから——
いとも容易い。
」露西亜人だ——いやに落つき払って
いとも流暢な日本語で、「舞台の名は一寸法師のマシコフと云う、寄席の軽業芸人なんで。
処方を出した医者は
いとも名高き先生で、所用の薬は奇妙キテレツのものであったから、家へ帰ると、またほかのことで急がしかった。
部屋の間、草の間、樹の上、みな昆虫の吟詠があっていろいろの音色が合奏し、
いとも不思議な感じがする。