雪と山との合体から、雪の色が山の名になってしまった例は
頗る多い。
ただ支那と云う国籍だけはほとんど有無を問われないだけに、
頗る好都合に出来上っている。
此故に当世の文学者は口に俗物を斥罵する事
頗る甚だしけれど、人気の前に枉屈して其奴隷となるは少しも珍らしからず。
科に落つるをままに任せ置たるは、
頗る天魔を造りたるものなり。
その碁盤もわたくしは見ましたが、
頗る立派なものでした。
たとい小銭にしても、天下通用の貨幣をほかの事に用いるのは、その時代には
頗るやかましかったのです。
その話は人に物の哀を感ぜさせ、興味を催させ、道義の念を感発せしむる節の
頗る多い話であつた。
著者は主人公の人物を説明するに於て
頗る前後矛盾の筆を用ゐたり。
然し幸か不幸か、大河という男今以て生ている、しかも
頗る達者、この先何十年この世に呼吸の音を続けますことやら。