草いろの帷のかげに灯ともしてな
みだする子よ何をおもへる
しかし、今でも、過去における苦痛と不快との記憶は、ともすれば彼の心に蘇って、彼の幸福な心持を掻き
みだしていった。
しかし、藩主忠利侯は在府中である上に、
みだりに援兵を送ることは、武家法度の固く禁ずるところであった。
が、憐
みだったにもせよ、三十年後の今日さえ時々彼の夢に入るものは未だにそれ等の場所ばかりである…………
これは懐郷の悲し
みだけであろうか? いや、自分はリスポアでなくとも、この国を去る事が出来さえすれば、どんな土地へでも行きたいと思う。
しかしとにかく顔馴染みに対する親し
みだけは抱いていた。
さ
みだれにかわずのおよぐ戸口かな、という句があるが、これがさ
みだれを通り越してつゆになったとなると、かわずが戸口に泳ぐどころのなまやさしいものではない。
骨組
みだけできたのを見ると、なるほど少しちいさい。
伊之助の膝へ手を突いてホロリと泣いたのは真の涙で、去年別れ今年逢う身の嬉しさに先立つものはな
みだなりけり。