けだし太古においては、所謂倭人は朝鮮半島の南部から、我が九州地方に
わたりてその存在が認められていたのであった。
見るさえまばゆかった雲の峰は風に吹き崩されて夕方の空が青み
わたると、真夏とはいいながらお日様の傾くに連れてさすがに凌ぎよくなる。
このヤヨイ号には、ある特別な用事をおびて、ヨーロッパへ
わたる特使団の一行がのっていた。
をりしも満月の比にて三保の松原のきは行くとき海上光り
わたりて金波きら/\として舷を打つ、忽ちにして玉兎躍り出でぬ。
よく月みざる人はもはや戸さす比、何くより来にけん、白雲月の前に横り、をりしも雁なき
わたる。
(下の方よりは板橋を
わたりて、醫者が供の男を連れて出づ。
落葉を浮かべて、ゆるやかに流るるこの沼川を、漕ぎ上る舟、知らずいずれの時か心地よき追分の節おもしろくこの舟より響き
わたりて霜夜の前ぶれをか為しつる。
同二十二日——「夜更けぬ、戸外は林を
わたる風声ものすごし。
四里に
わたるこの草原の上で、たった一度妻はこれだけの事をいった。
ある人縣の四年五年はてゝ例のことゞも皆しをへて、解由など取りて住むたちより出でゝ船に乘るべき所へ
わたる。