然しかういふ特殊な畸形児はせゐぜゐ四五段ぐらゐでとまるやうで、名人上手となるほどの人は他の道についても
凡庸ならぬ一家の識見があるやうである。
僕は恒藤の親友なりしかど、到底彼の如くに几帳面なる事能わず、人並みに寝坊をし、人並みに夜更かしをし、
凡庸に日を送るを常としたり。
その当時はそれも目新らしかったのだろうが、中程の数十年間は極めて
凡庸な文字になって誰も興味をひくものはない。
そして、その度毎に、旧時代の天才は、その時代を我もの顔に横行する
凡庸作家を屠つた手に、若き新時代の天才の手に、友情と敬意に満ちた手を差し伸べてゐる。
信雄は
凡庸の資であるが、信孝は、相当の人物である。
子を見ること、父に如かず氏康の予言は適中して、
凡庸無策の氏政は遂に大勢を誤ったのである。