そうして、それが決まってから犯人の目星をつけにかかるのですが、さて、時として、犯人の身元が容易に
分からぬ場合があるのです。
ともかくも、三年も学ばねば
分からぬものを、一時間や二時間に聞こうとするのは、あたかも一年かかってできるお米を、一昼夜に作れとの無理な注文と同じことである。
内外ともに顧みて舟木や間瀬の嫉妬をうけるいはれの
分からぬ太平であつたが、そのために深く気にとめることもなく、こだはる気持も少かつた。
見物人は蜘蛛の子を散らすように逃げだして、このまま捨て置けば幾人人間があやめられるか
分からぬ危急の状景を示してきたので、小文吾は矢庭に闘牛場へ飛び下りた。
戦争がはじまつて、今後どうなるか
分からぬといふときに、書のことをいぢくつて居られるわけは無い。
その広々とした淵はいつも黝ずんだ青い水を湛へて幾何深いか
分からぬやうな面持をして居つた。
併しこの遍路は一生かうして諸国を遍歴してどこの国で果てるか
分からぬといふのではなかつた。
文章の章句においても往々生硬な惡譯があつて、甚だしきは何の事やら
分からぬのがある。