私のように、長い年月諸国へ釣りの旅をしていると、時々珍しい話を聞いたり、また自らも興味のある出
来ごとに誘い込まれたりすることもあるものだ。
なにがさて、物見高い銀座の、しかも白昼の出
来ごとだから、たちまち黒山のような人だかりとなった。
何か少し変った、お祖母さん御自身がお会いなさったような出
来ごとで」と、少し手を換えて話をねだりますと、祖母は少し考えていましたが、「そうだね。
信子と従兄との間がらは、勿論誰の眼に見ても、
来るべき彼等の結婚を予想させるのに十分であつた。
それから松岡がこの間、珍しく学校へ出て来て、西洋哲学史か何かの教室へはいつたが、何時まで待つても、先生は勿論学生も
来る容子がない。
君はこの原稿の中に出て
来る大抵の人物を知つてゐるだらう。
青年にとって性の目ざめは肉体的な、そして霊的な出
来ごとである。
だが、こいつは、どの点から考えても、まったく有り得べからざる出
来ごとだて。
彼女はただもう、四五時間後のいやな心持を考えることの苦しさに堪えかねていろいろな一昨夜までに残してきた、東京での出
来ごとを手探りよせて誤魔化していた。