ともの優しい、客は年の頃二十八九、眉目秀麗、
瀟洒な風采、鼠の背広に、同一色の濃い外套をひしと絡うて、茶の中折を真深う、顔を粛ましげに、脱がずにいた。
のみならず作中の風景さえ、久保田君の筆に上るものは常に
瀟洒たる淡彩画なり。
道路の向う側には市の公園課の設けた細長い
瀟洒とした花園が瞳をみはらせる。
瀟洒な洋装で肥馬に横乗りするものを其処ら中で見掛けた。
「私、最近に下町で
瀟洒なレストラントを始めようと思つて、店や料理人を用意してありますのよ」
それは一つには家自身のいかにも
瀟洒としているためだった。
男の兒の兄は
瀟洒とした明るい寂しい風貌を備え弟はやや鈍角なる短面に温和と鋭氣をただよはす。
風采
瀟洒たるにも関らず、存外喧嘩には負けぬ所あり。
雜誌は其種類より言へば正に
瀟洒たる一文學雜誌なれども、二人の興味は寧ろ所謂文壇の事に關らずして汎く日常社會現象に向ひ澎湃たる國民の内部的活動に注げり。
岡村と云われた青年は、中肉の身体にスッキリと合って居る、琥珀色の、
瀟洒な夏服を着て居た。