片手に杖は支いたけれども、足腰はしゃんとした、人柄の可いお
爺様。
と照れたようにその頭をびたり……といった
爺様なのである。
何と生魚を、いきなり古新聞に引包んだのを、
爺様は汚れた風呂敷に捲いて、茣蓙の上へ、首に掛けて、てくりてくりと行く。
爺はそう呟いて、その人垣を打ち破って通り抜けようとした。
晩のお菜に、煮たわ、喰ったわ、その数三万三千三百さるほどに
爺の因果が孫に報って、渾名を小烏の三之助、数え年十三の大柄な童でござる。
爺やは水戸に丁寧に礼を述べて玄関口を閉め、それからアルコール漬の若旦那さまを担いで馬蹄形に曲った階段をのぼり、そして彼の寝台の上にまで届けたのであった。
人助けだなんて言ってで……俺家の
爺様が、五日もかかって取る銭を、一っぺんに取って行って、それで足りねえどしゃ。
「
爺つあん、今日は、午めえは草刈っさ行かねってもいいぞ。