この話はこれで
終りであるが、そのほかにも墓を発いて種々の不思議に出逢った話はたくさんに言い伝えられている。
十月の
終りになって、これらの不安や恐怖のクライマックスがついに到来した。
彼は、初めから
終りまで、冷笑とも微笑ともつかない薄笑いを唇の端に浮べながら黙ってきいていた。
二月の
終りで、不忍の池の面を撫でてくる風は、まだ冷たかったが、薄暖い早春の日の光を浴びている楓や桜の大樹の梢は、もうほんのりと赤みがかっているように思われた。
温健派の山内容堂は、幕府の命運既に尽きたるを察して、幕府をしてその
終りを全うせしむる意味で、大政奉還の止むなき所以を説いた建白書を、慶喜に呈した。
人間が死ぬる前、与えられた寿命が
終りに近づいたときは、その人間の分相応に完全な相貌に到達するのであろうと思う。
定めし君は、多忙を極めて居るであろうが、然し僕は、君がどんなに多忙な中でも、僕のこの手紙を
終りまで読んでくれるであろうと堅く信じて居る。
孔子の饑餓に苦められしことあるも、孟子が轗軻不遇に
終りしも、帰する所は同一理なり。
終りに臨んで私はこの小著述をその最初の出版者たる故中村弥左衛門君に献じます。