幼い頃、父に伴われて故郷の川へ鮎釣りに
行くたびに、河原で聞いたいそしぎの声に似ているのである。
ここは、あまり都会人の注目せぬ場所であったから、
行くたびに数多く釣れたのであったが、そのときはいつの間にか荒らされていたと見えて、極めて成績不良であった。
それから、女教師の有田道代の役だが、これはわりにむづかしい役で、ナイイヴな掛引を自然に見せて
行くためには、余程の老巧さを必要とするのである。
薪水を積み込む御用船に乗り込んで、黒船に近づこうとしたけれども、それも毎船与力が乗り込んで
行くために、便乗する機会はなかった。
私が学校から帰えって
行くたびに、うちの中がガランガランとかわってゆくのです。
「職業なら、何もおかしいこと無いじゃない? 食って
行くためなら、どんなことだって、しなくちゃならない時世なんだもの。
それは人々がその上を歩いて
行くためよりも、人々がそれに躓くためにつくられてゐるやうに思はれる。
商人は、聯隊からの命令で、百姓の家へ用たしに
行くたびに、彼等が抱いている日本人への反感を、些細な行為の上にも見てとった。
修善寺は前に一晩泊つたことがあるきりで、べつにいい所だとも思はなかつたが、ほかに
行くつもりだつた所が、宿の都合がわるいと断つて来たので、そこにしたのだつた。