先住の室が自ら其身を封じたる一室は、不開室と称へて、開くことを
許さず、はた覗くことをも禁じたりけり。
さらに分売を
許さず読者を繋縛して数十冊を強うるがごとき、はたしてその揚言する学芸解放のゆえんなりや。
ただ何年かたって死んだ後、死体の解剖を
許す代りに五百円の金を貰ったのです。
もし多少の誇張を
許すなら、己の袈裟に対する愛なるものも、実はこの欲望を美しくした、感傷的な心もちに過ぎなかった。
未だ
許さず、生きんが為めにのみ生き、行かんがためにのみ行くが如き人の、この悠々の世界に入るを。
更に分売を
許さず読者を繋縛して数十冊を強ふるがごとき、果して其揚言する学芸開放の所以なりや。
○そうして、ゆっくり腰をすえて、自分の力の
許す範囲で、少しは大きなものにぶつかりたい。
猶子先づ屏風を借り得て、庭に牡丹叢を蔽ひ、人の窺ふことを
許さず。
幕府砲臺を神奈川に築き、外人の來り觀るを
許さず、木戸公役徒に雜り、自ら畚を荷うて之を觀る。