上野行、浅草行、五六台も遣過ごして、硝子戸越しに西洋小間ものを覗く人を透かしたり、横町へ曲るものを見送ったり、
頻りに謀叛気を起していた。
酒の間に面白そうな話などをして、
頻りにみんなを笑わせていたが、お染はなかなか笑う気にはなれなかった。
無総寺の寺男の話によると、夜なかに門前で
頻りに犬の吠える声を聴いたというのである。
野島屋はここらでも古い店で、いろいろの美しい小鳥が籠のなかで
頻りに囀っているのを、侍は眼にもかけないような風で、ずっと店の奥へはいって来た。
呼びかけられて、按摩はおびえたように立ち停まったが、きょうも何か
頻りに云い訳して摺り抜けて行こうとするのを女はまた曳き戻した。
丘の上から振りかえると、猫はなお
頻りに道を這いながらないていた。
などと
頻りに小言を云うけれど、その実母も民子をば非常に可愛がって居るのだから、一向に小言がきかない。
姉は
頻りに自分にお松を忘れさせるようにいろいろ機嫌をとったらしかった。