しかもその後からは楚をふり
上げた若殿様が「柑子盗人め、待て。
保吉は夢からさめたように、机の側に立った田中中尉を見
上げた。
戸が今西の後にしまった後、陳は灰皿に葉巻を捨てて、机の上の封書を取
上げた。
すると、今し方通った川蒸汽の横波が、斜に川面をすべって来て、大きく伝馬の底を揺り
上げた。
田代君は存外真面目な表情を浮べながら、ちょいとその麻利耶観音を卓子の上から取り
上げたが、すぐにまた元の位置に戻して、
しかもその後からは楚をふり
上げた若殿樣が「柑子盜人め、待て。
中には彼女が在学中、既に三百何枚かの自叙伝体小説を書き
上げたなどと吹聴して歩くものもあつた。
ではかう云ふ小説は紅毛人以外には書かなかつたか? 僕は僕等日本人の為に志賀直哉氏の諸短篇を、——「焚火」以下の諸短篇を数へ
上げたいと思つてゐる。
其角に次いで羽根楊子をとり
上げたのは、さつき木節が相図をした時から、既に心の落着きを失つてゐたらしい去来である。