聞けば中央停車場から濠
端の電車の停留場まで、傘もささずに歩いたのだそうだ。
金三は解けかかった帯の
端に顔の汗を拭きながら、ほとんど夢中にしゃべり続けた。
私は本多子爵が、今でこそ交際嫌いで通っているが、その頃は洋行帰りの才子として、官界のみならず民間にも、しばしば声名を謳われたと云う噂の
端も聞いていた。
立てきった障子にはうららかな日の光がさして、嵯峨たる老木の梅の影が、何間かの明みを、右の
端から左の
端まで画の如く鮮に領している。
そして
端なく眼を自分の方へ転じたと思うと、洋杯を手にしたまゝ自分の方へ大股で歩いて来る、其歩武の気力ある様は以前の様子と全然違うて居た。
それは三階の
端に近いところで、一日ぢゆう絶対に陽の射す気づかひはなく、障子を立てると昼すぎの一番明るい時でも持つて来た小型本を読むのが苦労だつた。
小弁慶の浴衣を着た男は、受けた盃をぐいとやると、その手ですぐに口の
端の滴を払つて、自ら嘲るやうに眉を動かしたが、
三人の子供は恐る恐る、一番
端にあるトロツコを押した。
私語くごとき波音、入江の南の
端より白き線立て、走りきたり、これに和したり。