幽霊は悪魔とちがつて、
徹頭徹尾凄味あるのみ、甘さやユーモアは微塵もない。
彼は酔っ払うと、
徹頭徹尾ニヤ/\相好くずしている笑い大仏で、お喋り夥しいけれども、からまない。
サルトルの「水いらず」が
徹頭徹尾、たゞ肉体自体の思考のみを語らうとしてゐることは、一見、理知がないやうだが、実は理知以上に知的な、革命的な意味がある。
従ってこれから私が申上げようと思う話も、実はあなたが御想像になるほど、現実の世界と懸け離れた、
徹頭徹尾あり得べからざる事件と云う次第ではありません。
そこは、
徹頭徹尾、攻撃に終始する既成政党の演説会に比して、よほど整い、つじつまが会っている。
虚心は
徹頭徹尾、事実の中に注ぎ、熱意は往々にして、想像の跡を追ふて事実の域を脱す。
徹頭徹尾純一にして無雑な態度を守り得たことはこの書が若き人々に広く読まれるに際しての私のひとつの安心である。