隅田川の渡りを求めに来た、寂しい何人かの
旅人を一身に代表する名誉職である。
が、婆さんの行った後には、もう早立ちの
旅人と見えて、伴の下人に荷を負わせた虫の垂衣の女が一人、市女笠の下から建札を読んで居るのでございます。
これは水練に達した盗賊が水の底にかくれていて、錦の帯を囮に往来の
旅人を引き摺り込んで、その懐中物や着物をみんな剥ぎ取るのだろうと云うんです。
ほかの
旅人達には、歩行も出来ぬ程客引き共がつけ廻って、うるさく呼びかけているのに、どうしたことかわが早乙女主水之介のところへは、ひとりも寄って来ないのです。
仙台名影町の吉田屋という
旅人宿兼下宿の奥二階で、そこからある学校へ通っている年の若い教師の客をつかまえて、頬辺の紅い宿の娘がそんなことを言って笑った。
水銀を商ふ
旅人 何でも奥方や御子供衆は、泣いてばかり御出でだとか云ふ事でした。
すると
旅人は生家の中から、何とも知れぬ大男が、急ぎ足に外へ出て来るのを見た。
彼が家の横なる松、今は幅広き道路のかたわらに立ちて夏は涼しき蔭を
旅人に借せど十余年の昔は沖より波寄せておりおりその根方を洗いぬ。
冬の
旅人の日暮れて途遠きを思う時、遥かに望みて泣くはげにこの火なり。
村から村で、松江に参りますと、いきなり綺麗な市街となりますので、
旅人には皆眼のさめるように驚かれるのです。