左
端の家はもう休んだのか窓にはカーテンが掛り、真中の家は暗くて貸家札が貼ってあった。
地軸の北
端の真上にある北極星は小熊星座の主星である。
聞けば中央停車場から濠
端の電車の停留場まで、傘もささずに歩いたのだそうだ。
おぎんは井戸
端の無花果のかげに、大きい三日月を仰ぎながら、しばしば熱心に祈祷を凝らした。
勿論めったに出逢った者も無いんですが、安永年間、水道
端の荒木坂に店を開いている呉服屋渡世、松本屋忠左衛門のせがれは、二、三日煩い付いて急に死んだ。
その妹のお道というのは、四年前に小石川西江戸川
端の小幡伊織という旗本の屋敷へ縁付いて、お春という今年三つの娘までもうけた。
見台の
端の建札に小さく、次のような人を喰った文字が書かれてあるのでした。
落葉が降り留っている井戸
端の漆喰へ、洗面のとき吐く痰は、黄緑色からにぶい血の色を出すようになり、時にそれは驚くほど鮮かな紅に冴えた。
小弁慶の浴衣を着た男は、受けた盃をぐいとやると、その手ですぐに口の
端の滴を払つて、自ら嘲るやうに眉を動かしたが、