のみならずどこか中世紀じみた門には
太い木の格子戸の向うに、霜に焦げた檜などのある、砂利を敷いた庭を透かしていた。
枕もとに置いた時計の針が、十二時近くなったのを見ると、彼はすぐにメリヤスの襯衣へ、
太い腕を通し始めた。
それから大きい硝子戸棚の中に
太い枯れ木をまいている南洋の大蛇の前に立った。
それは黒と白と市松模様の倭衣を着た、容貌の醜い一人の若者が、
太い白檀木の弓を握って、時々切って放す利り矢であった。
すると土を積んだトロツコの外に、枕木を積んだトロツコが一輛、これは本線になる筈の、
太い線路を登つて来た。
学生の間に流行っているらしい
太いズボン、変にべたっとした赤靴。
もっとも時々霧の中から
太い毛生欅や樅の枝が青あおと葉を垂らしたのも見えなかったわけではありません。