月のよい夜ならばいつでも
好さゝうなものであるが、これは秋の夜にかぎられてゐるやうであつた。
由蔵が流してやっている老人が、いかにも心地
好さそうに眼を細くしてされるがままに肩を上下に振っている。
その男は、成る程人の
好さそうな顔をしてはいたが、余り風采の立派な男ではなかった。
22が6と算盤を弾き出すから景気が
好さゝうに見えても実は初めから失敗しておるンだ。
あたしは何だか去年よりもずっと
好さそうな気がしているの)音楽会はなし、講演会はなし、どこへ行って見るってところもない始末なのよ。
『今井さんは何うです?』と、校長は人の
好ささうな顔に笑ひを浮べて言つた。
その男は老看守の人の
好さそうなのにつけこんだらしい馴れ馴れしい調子で、手錠をはめられた手を窮屈そうにもみ手をしながら答えた。
顔をあげて拝むような目付をしたその男の有様は、と見ると、体躯の割に頭の大きな、下顎の円く長い、何となく人の
好さそうな人物。