「差し出して」の例文

「差し出して」の書籍での例文

キッと空を見上げたが、頭上には裸体の大公孫樹が、枝を参差と差し出していた。

柳営秘録かつえ蔵

国枝史郎

鉢を差し出してやると、娘は嬉しそうに食べ、水を掬って来て飲ませると、娘はやっと元気を恢復した様子、そこで娘の身元ばなしが始まりました。

鯉魚

岡本かの子

と、彼は、両手を前に差し出して、十本の指を握つたり、伸ばしたりしてみせた。

放浪者

岸田国士

先生の一人が差し出すマッチを、ちらと横目で見たまゝ、受取らうとしない。

美談附近

岸田国士

此の憂鬱な東洋の青年が、恐る恐る差し出す手を、彼女はしばらく見つめてゐました。

カルナツクの夏の夕

岸田国士

誰彼となく手を差し出す——劇場主に、背景画家に、衣裳係に、俳優に……。

演劇より文学を排除すべきか

岸田国士

「そうです」と、わたしは時計の鎖についている小盒のバネをぱくりとあけて、フロラの小さい写真を差し出して見せた。

世界怪談名作集

岡本綺堂

こう云いながら若干かのお金を、おきたの前へ差し出して、自分の方が嬉しそうに、三十郎が笑ったのは、数日後のことであった。

一枚絵の女

国枝史郎

それでも弓弦を差し出すと、また同じ声同じ調子で、

日置流系図

国枝史郎

古江が両手で醤油袋の口を開けて差し出して来る。

まかないの棒

黒島伝治

「差し出して」のオンラインでの例文

もう誰も身を呈してサンプルを差し出してくれなくてもいいのだ。

下瀬ミチル

体は眠気と疲労でいっぱいで、息子は抱いて揺らしても乳を差し出しても嫌がり、顔をくしゃくしゃにして悲痛な声で泣く。

秋カヲリ

稼いだお金の何％かを国や市にただ差し出して、差し出したら消えていってしまうものだと錯覚していたけれど。

もよもよ

ふむ、と一つ頷いて腕を戻し、今度は刀を渡すようにと右手を差し出してくる。

きさらぎみやび

モーフィアスの差し出す赤と青の薬の選択に対して、躊躇なく赤い薬を選んだ。

学友ANNEX／世田谷学園学内誌

」彼女が指を差し出す。

ネギ

「あの、捨てときます」そう言って、両手を差し出す。

翔太鈴木

車のドアを閉めた後、こちらから手を差し出すと息子は「うん」と小さく頷き手を握ってくる。

あいこうしょうた

個包装になっているチョコをひとつ差し出す。

深井

「ねえ、あなたからも言って」と彼女は無慈悲に俺をヤーサンの前に差し出す。

PJ/うたスト正式募集1/29土17:00発表

差し出しての例文

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