先「中々うまいね……エー私は書林から使に参りましたが、先生にこれは誠に少々でございますが
差上げて呉れろと、主人に斯様申されまして、使に罷り出でました。
この方は何々社の婦人記者の何さんです、とやつたら、ハア、はじめまして、私は、と名刺を
差上げるにきまつてゐる。
……景気もよし、見ているうちに値が出来たが、よう、と云うと、それ、その鯛を目の上へ
差上げて、人の頭越しに飜然と投げる。
少しの御面識もない無名の私から、突然かかる書状を、
差上げる無礼をお許し下さい。
さもないと、私がこの手紙を閣下に
差上げる事が、全く無意味になる惧があるのでございます。