然し、孫娘の光子にはそんな
懸念は露程もないと見え、朝から家を外にの、乳母子のような燥しゃぎ方。
二人の女は、愛護が父蔵人に此由を告げはすまいかといふ
懸念から、逆に若を陥れる謀を用ゐる事になる。
のみならず朋輩たちに、後指をさされはしないかと云う、
懸念も満更ないではなかった。
部屋の具合とか窓の外の海とか云うもので、やっとそう云う推定を下しては見たものの、事によると、もっと平凡な場所かも知れないと云う
懸念がある。
さてこれから船見峠、大雲取を越えて小口の宿まで行かうとするのであるが、僕に行けるかどうかといふ
懸念があるくらゐであつた。
さう思ふ私は、多くの興味をかけて東京を發つて來たと同時に、一方には旅の不自由を
懸念しないでもなかつた。
さてはいかなる医学士も、驚破という場合に望みては、さすがに
懸念のなからんやと、予は同情を表したりき。
が、この
懸念はそれを押しつめて行けば、結局どの小説も同じ事だから、そこに意を安んじて、発表する事にした。
嬰兒の顏は見えなかつた、だけ其だけ、
懸念と云へば
懸念なので、工學士が——鯉か鼈か、と云つたのは此であるが……