今もそのアパートはあるだろうか、濡雑巾のようにごちゃごちゃした場末の一角に、それはまるで古綿を千切って捨てたも同然の薄汚れた姿を無気力に
曝していた。
それに私は、なぜだか、今更ノコノコと白日の下に顔を
曝すのが気羞かしく思はれてならない気持もあつたのです。
しかし私には白昼夏の光のふりそそぐ日比谷公園の音楽堂の上に、凡ての満足と充実した凡ての生の歓喜とを以てその古琴独奏の矜を衆人の目前に
曝すだけの勇気はない。
日華洋行の主人陳彩は、机に背広の両肘を凭せて、火の消えた葉巻を啣えたまま、今日も堆い商用書類に、繁忙な眼を
曝していた。
然し身代が出来てからは、月に面テを
曝すさへも羞らふのか滅多主人の顔は見られなかつた。
俊助はこう云う図書館の窓際の席に腰を下して、さっきから細かい活字の上に丹念な眼を
曝していた。
嗚呼人よ、東海君子国の世界に誇負する所以の者は、一に鮮血を怒涛に洗ひ、死屍を戦雲原頭に
曝して、汚塵濛々の中に功を奏する戦術の巧妙によるか。
帶を解いてランプの光に
曝して見ると、下腹の邊の皮がぴか/\光つてゐた。