今までは、主人だと思っていた相手の男が、ただ自分の生命を、脅そうとしている一個の動
物——それも凶悪な動
物としか、見えなかった。
と同時に悪魔もまた宗徒の精進を妨げるため、あるいは見慣れぬ黒人となり、あるいは舶来の草花となり、あるいは網代の乗
物となり、しばしば同じ村々に出没した。
よしまた、「じゃぼ」の成り立は、さる事なりとするも、汝がこれを以て極悪兇猛の鬼
物となす条、甚以て不審なり。
それは鬼の図で、屋敷では殆ど一種の宝
物として秘蔵していたのであるが、この度よんどころない事情があって、それを金五百両に売り払いたいというのであった。
生き
物と聞いて、彼はすぐに鶴殺しを思いうかべたのであるが、相手はほほえみながら頭をふっていた。
金
物と云ってもやはり本
物で、金は慶長小判、銀は二朱銀を用いていましたから、あの小判が一枚あればなぞと涎を流して覗いているのもある。
権勢摂※の家を凌ぎ、一門悉、青紫に列るの横暴を恣にせる平氏の中心的人
物としての入道相国を見たり。
さうして又この町はづれの陰惨たる風
物と同じやうな色の着
物を着てゐた。
老叟は笑つて『さう言はるゝには何か證據でも有のかね、貴君の
物といふ歴とした證據が有るなら承はり度いものですなア』