然し近代的な心理解剖や観察法の分りよい正確な教科書、入門書としては、この人の書物に
越すものは少いと思へる。
我孫子から利根川をひとつ
越すと、こゝはもう茨城県で、上野から五十六分しかかゝらぬのだが、取手といふ町がある。
別れて浅草の家へ引
越しましたが、却って、引越してから来者不拒のかけじを度々思い出しました。
この狭小にして、天然資源も豊かではない国土と、八千万を
越す頭の数を見るだけで、明白なのである。
「たとえどのような伎倆があろうと、世間には名人達人がある、上
越す者がどれほどでもある、増長慢になってはいけないのう」
さうして育つて行くうちにも仲好しの母親同志は
越す先々の家を成たけ近所同志にえらび、お互ひの生活を接近させてゐました。
お蘭は、月を
越すと、相思の仲の、渋川宿の旅舎、布施屋の長男、進一のもとへ輿入ることになっていた。
どうせ本式の盗棒なら垣根だって御門だって
越すから木戸なんか何にもなりゃア仕ないからね」