探偵小説の題材として、最も多く犯罪が
選ばれるのは、人々が犯罪に最も多くの興味を感ずるからであろう。
さてその次に来る問題は、何人がその任に当り、如何なる組織と方法が
選ばれるかといふことである。
彼は主役に
選ばれる幸運に繞り合はずに、その生涯を終ることがあつても、彼は、その生涯を通じて、一座の「必要な人物」であつたことに何の変りもない。
演劇を通俗化するために
選ばれる方法は、現に、多く、「演劇的ならざるもの」の濫用と重大視ではないか。
その小説や映画は、テエマ乃至筋の興味もさることながら、これまで評判になつたもので、人口に膾炙した標題が第一に
選ばれる。
芸術として傑れた戯曲は、主題として所謂「劇的境遇」が
選ばれる必要は少しもなく、それ以外に、もつと本質的な「劇的美」がある筈である。
一人の天才が
選ばれるためには、多くの無名の芸術家が、その足下に埋草となっているのだ。
だから、国々から
選ばれる力士も、その国で無双の強者だったのである。
しかし将来は一人の女よりも古瀬戸の茶碗を
選ぶかも知れない。
然らずんば、予が一生の汚辱を披瀝せんとする此遺書の如きも、結局無用の故紙たると何の
選ぶ所か是あらん。