フォークをひつくりかへして無理にむつかしく御飯をのせて
変てこな手つきで口へ運んで、それが礼儀上品なるものと考へられて疑られもしない奇妙奇天烈な日本であつた。
まあ、聴け、おれもこの年になつてさ、いくらか世の中も見て歩いたつもりだが、こんな
変てこな男は、見たことも聞いたこともないよ。
どこということは分らぬけれども、
変てこで、けれども彼の心は物にこだわることに慣れませんので、そのときも格別深く心にとめませんでした。
きょうも妻は不相
変麦藁の散らばった門口にじっと膝をかかえたまま静かに午睡を貪っている。
俊吉はすべてに無頓着なのか、不相
変気の利いた冗談ばかり投げつけながら、目まぐるしい往来の人通りの中を、大股にゆつくり歩いて行つた。
彼は電車へ乗る心算で、十銭持つて歩きながら、途中で気が
変つて、煙草屋へはいると、平然として「往復を一つ」と云つた人間だからこんな事は家常茶飯である。
ね、そんな
変てこなことを言ふと人に笑はれますぜ、ほんとに!』と、かういつて注意してやつたものぢや。
ただ夜中になって
変てこな物音をたてる生物になってしまったのである。