唯でさへその猿の容子が
可笑しい所へ、かやうな名がついたのでございますから、御邸中誰一人笑はないものはございません。
「あの、一寸来てくれませんか、何うも
可笑しいんです。
もともと下戸に生まれたんなら、禁酒会へはいるのも
可笑しいじゃないの? それでも御当人は大真面目に禁酒演説なんぞをやっているんですって。
けれども半之丞に関する話はどれも多少
可笑しいところを見ると、あるいはあらゆる大男並に総身に智慧が廻り兼ねと言う趣があったのかも知れません。
それがまた、一層
可笑しいので、橋の上では、わいわい云って、騒いでいる。
それがこの福竜は、大に優楽不自在なんだから
可笑しい。
その中でも
可笑しいのは人気のない町を行く赤電車や青電車が、乗る人もない停留場へちゃんと止まる事でしょう。
唯でさへその猿の容子が
可笑しい所へ、かやうな名がついたのでございますから、御邸中誰一人笑はないものはございません。
可笑しい話でございますが、わたしは未に薬種の匂、陳皮や大黄の匂がすると、必この無尽燈を思ひ出さずには居られません。