一音を誤れば、音楽の演奏は完全でない如く、一語を
聞き漏らすことによつて、舞台のイメージは一つの空虚を残すのである。
けれども犬は黍団子と
聞くと、たちまち彼の側へ歩み寄った。
が、この町が火事だと
聞くが早いか、尻を端折る間も惜しいように「お」の字街道へ飛び出したそうです。
その癖、ちょいとした事には、器用な性質で、流行唄と云うようなものは、一度
聞くと、すぐに節を覚えてしまう。
野呂松人形と云うものが、どんなものかと云う事は、その日になって、Kの説明を
聞くまでは、僕もよく知らなかった。
しかもその声を
聞く毎に、神魂たちまち恍惚として、恋慕の情自ら止め難し。
「何、叶えてくれる? それは重畳、では早速一同の話を順々にこれで
聞くと致そう。
これを
聞くと、太郎と言われた男は、日をよけた黄紙の扇の下で、あざけるように、口をゆがめた。
学校の慰問会をひらいたのも、この笑い声を
聞くためではなかろうか。
ことにこの水の音をなつかしく
聞くことのできるのは、渡し船の中であろう。