そして又彼の探求、彼の微細な正確な分析が、私の文学観を変ぜしめ、ひいては文学を
棄てるまでに導かれたことを彼に告げずにはゐられなくなつた。
けれど、呂木の茫漠とした長い疲れは、窓のない灰色の建物に似て、内に満ちた虚しい風を吐き
棄てる力もなかつたのだ。
河内瓢箪山へ辻占問ひに往く人は、堤の下や稲むらの蔭に潜んで、道行く人の言ひ
棄てる言草に籠る、百千の言霊を読まうとする。
しかし、それ以上に、混乱より来る不安定と、
棄てるものを棄て去り、身につけるべきものをまだ身につけてゐない空白の状態とがある。
——主義のために文学を
棄てる? そんなことは考へられない。
此金の足りない中で、殊に経費少ない文部省が這般な無用の学校に銭を
棄てるのは馬鹿げてる。
乗合自動車を乗り
棄てると、O先生と私とは駕籠に乗り、T君とM君とは徒歩でのぼつた。
何となれば傳染病細菌の附着した品物を燒
棄てることは、それを最も經濟的に、最もよく用ゐることだからである。