予定では古戦場で名高いS原を訪ねるつもりであったが、どう道を間
違えたものか、人家の少しもない山奥に迷いこんでしまったのである。
「若旦那様、今日でもう一週間になりますがまだ何も見えませんのは、もしや方角でも取り
違えたのじゃありありましねえか。
君の名を知らんもんだからね、どんな容子の人だと訊くと、鞄を持ってる若い人だというので、(取次がその頃私が始終提げていた革の合切袋を鞄と間
違えたと見える。
この二つの場合で、クキがクッキーでグキットしたとはいいやすいが、アマノがアマゴとアナゴを間
違えたといおうとするとうまく口が廻らないで多少の努力を要する。
二十一日は大師の縁日であるから、その日を間
違える筈もない。
四国の島へ渡って、海ばたの村を托鉢して歩いているうちに、ある日いつどこで道を間
違えたか、山の中へ迷い込んでしまいました。
頼母は、江戸へ行くつもりで、街道筋を辿って来たのであったが、いつどこで道を間
違えたものか、こんなところへ来てしまったのであった。
こいつを間
違えたんじゃ、松五郎めくら犬にも劣りやさァ」